非戦訴えるペンライトの灯りと沖縄摩文仁の丘平和の火の想いを重ねる
齋藤勁【一般社団法人勁草塾代表理事/沖縄県政策参与】
ロシアのウクライナ侵攻の停戦が見えないばかりかイスラエルのガザ攻撃の熾烈さアメリカ・イスラエルのイラン侵攻等悲惨な戦争報道は絶えない。狂人としか見えないトランプ大統領の「一つの文明が滅び二度と戻る事がない」との発言に対し、ローマ教皇はウクライナ侵攻も含め「残虐な暴力、武器を置くように」と対話による紛争解決をと促した。(世界の指導者に対する呼びかけは異例)キリスト教・ロシア正教・ユダヤ教・イスラム教と関係国の宗教が複雑に絡み合っているのが背景にある。殺戮を容認し目標とする指導者に如何に対抗するのか大いなる知恵と全ての外交努力を傾けなければならない。
トランプ大統領は高市首相との会談でイラン奇襲作戦と真珠湾攻撃をなぞらえた発言をした。首相は何も答えなかった様だが、本来ならば日本が敗戦以降1956年に国連に加盟し平和国家として歩んで来たことを伝え、即時停戦を訴えるのが我が国の言葉だろう。
この様な中、アメリカでは「NO KINGS(王はいらない)」をスローガンに全米各地で800万人が参加するデモが行われ、世界各地にも拡大している。我が国でも、ペンライトを手にとり戦争に反対し平和を希求する市民集会が全国各地でもたれた。
一方、全国の地方議会では「中東地域での軍事攻撃の即時停止と平和解決を求める意見書」が次々と採択されている。沖縄県議会・那覇市議会でも全会一致で意見書が採択された。関係大臣宛である。問題は、受け取った各省は如何なる対応をしているのか、いかなる回答をしているのか、議会側は意見書採択迄のエネルギーで終わっていないか検証の必要があるのではと考える。
市民の思いと議会への反映さらに実現させるための双方向の努力、例えば各議員と市民との対話、政府への共同申し入れ行動、首長への働きかけ等市民が主体になり行動すべきと思う。同一県内での共同行動や全国・世界と繋げることは可能だ。非核自治体宣言をしている自治体は核廃絶の動きと逆行する世界状況を見て指導者への働きかけを行っているだろうか?
平和行動は広島・長崎・沖縄だけではないはずだ。対政府だけに止まらず身近な自治体単位での行動の展開が重要だ。日米地位協定改定へ全国の知事と共に行動している玉城デニー沖縄県知事が9月改選期を迎える。沖縄からイランへ送られた第31海兵遠征部隊に対し玉城知事は「イラク戦争時のファルージャの惨劇の記憶が呼び起こされる」と発言した。日本国内から中東に米軍が派遣されている。外交防衛政策は政府の専管事項では済まされない。沖縄県摩文仁の丘平和の礎の「平和の火(沖縄・広島・長崎から採取された)」は灯し続ける。
(生活経済政策2026年5月号掲載)
